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●顎関節症のタイプ
■顎関節症の4つのタイプ
顎関節症のタイプはその障害のある部分によっていくつかに分けられています。(日本顎関節学会による)
1)筋肉の障害によって起こるタイプ(T型)
2)関節包・靱帯の障害によって起こるタイプ(U型)
3)関節円板の障害によって起こるタイプ(V型)
4)変形性関節症によって起こるタイプ(W型)
1)筋肉の障害によって起こるタイプ(T型)
筋肉が何らかの原因で緊張して硬くなり血液の循環が悪くなるために痛みを生じる。
咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋からなる咀嚼筋を中心に痛むので頬やこめかみのあたりが痛むが、痛みは鈍く部位を特定しにくい。また、押すと強く痛むトリガーポイントというコリコリしたしこりができることがある。
頭部、首、肩など離れたところに関連痛が起こる。
2)関節包・靱帯の障害によって起こるタイプ(U型)
顎関節の関節包みや靱帯などの線維組織に力が加わって捻挫を起したようになり痛みを生じる。関節包炎、滑膜炎などを起し、あごを動かすと顎関節部が痛む。
3)関節円板の障害によって起こるタイプ(V型)
関節円板が本来の位置から前にずれたままになってしまう状態のことで「関節円板前方転位」という。
<クリック(カクカク音)>
口を閉じたとき本来は下顎窩の中にあるべき関節円板が、下顎窩の前方にズレて出てしまっている。口を開けようとすると回転して前にすべり出してきた下顎頭が関節円板の下に強引にもぐり込み、上に乗せたときに「カクン」と音が出る(クリック)。口を閉じるときに下顎頭から関節円板が外れるときも同様に音が出る。
(口を開けたときには関節円板が本来の位置に戻るので「復位を伴う関節円板前方転位」という)
<ロック(クローズド・ロック。口が大きく開けられない)>
さらに進むと、口を開けようとするとき前に出ようとする下顎頭が関節円板の下にもぐり込めなくなり関節円板を上に乗せられなくなる。こうなると関節円板が邪魔して下顎頭が下顎窩の前に出られなくなるので、口が大きく開けられなくなる。(クリック音はしない)
(口を開けたときも関節円板が本来の位置に戻らないので「復位を伴わない関節円板前方転位」という)
※滑膜炎と長期の開口障害により滑膜と関節円板の癒着を起す場合がある。
4)変形性関節症によって起こるタイプ(W型)
顎関節に繰り返し強い負荷がかけられたり、長い間続いたときに、下顎頭の表面が吸収されてその回りに新しい骨がつくられることがある。口を開け閉めすると「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」といった音がして、滑膜炎など周囲の炎症を伴うと顎関節が痛む。
骨の変形は必ずしも異常な変化ではなく無症状の場合もあり、またある程度進むととまる場合が多い。
※滑膜炎と長期の開口障害により滑膜と関節円板の癒着を起す場合がある。
■複数のタイプを持つ患者が多い
顎関節症のタイプはこのように4つに分けられていますが、実際には「筋肉の障害によるタイプ」と
「関節円板の障害によるタイプ」といったように、複数のタイプにまたがっていることが多いそうです。
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