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●顎関節症(がくかんせつしょう)とは?



■顎関節症の定義

「顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靱帯障害、関節円盤障害、変形性関節症などが含まれている」
(日本顎関節学会「顎関節症の定義」)

簡単に言うと、あごの関節(顎関節)周辺に何らかの異常がある「あごが痛い」「あごが鳴る」「口が開けづらい」などが主な症状である慢性的な疾患で、原因はいくつかあり状態も異なるがまとめて顎関節症と呼ぶ・・・ということです。

■軽症のものから重症まで状態は様々

「硬いものを食べたらあごが痛くなったがしばらくしたら治った」という程度の軽い症状を含めると日本人の二人に一人は何らかのあごの異常の経験があるのではないかとも言われます。このように放っておいても自然に治るものもあり、必ず悪化していくという疾患ではありません。
患部を安静にする、問題のある生活習慣を改善する、薬を服用するなどの治療で80%の人はよくなっているそうです。
重症になると手術が必要となったり、症状もめまいや痛みなど全身に及び、開口障害により食事の摂取が困難になったり精神的にも影響を受けるなど、日常生活に支障をきたすほどの症状に苦しむ患者さんもいます。

■20〜30代がピーク、女性に多い

顎関節症の患者はここ十数年で15倍にも増加したとも言われます。子供〜高齢者まで幅広くみられる病気ですが、年齢では10代半ばから増え始め20〜30代がピーク、女性は男性の2〜3倍の来院数だそうです。
なぜ女性が多いのかはよくわかっていませんが、女性の方が筋肉の緊張やストレスに対して感受性が高く痛みに敏感で健康にたいする関心が高い、男性よりも骨格や靱帯が弱い、女性ホルモンに関係がある、などの説があります。
年齢的には、10代半ば頃から増加するのは歯や骨格が成長し大人になる時期であること、精神的にも思春期であり社会的な生活も複雑になるため、また30代以降は来院患者数が減少するのは顎関節の変形はあってもそれに慣れてうまくつきあえるようになるため、などといわれます。
しかし、近年患者数が増加していることを考えると、最近の若年層に顕著な食習慣、生活習慣などにも関連があると考えられるのではないでしょうか。


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