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東洋医学って何?<その2>
〜東洋医学の健康観・医療観(1)〜
今回から二回にわたり「東洋医学における健康観・医療観」についてお話したいと思います。
■検査データに出ないと病気でないの?「未病」という概念
体調が悪くて病院にいってもレントゲンなどの検査データでは「異常なし」となってしまうため診断がつかず、これといった治療も受けられない・・・ということがあります。しかしすべての体調不良が必ず検査データに現れるとは限りません。
東洋医学には
「病気だと診断はつかなくても健康ではない病気になる前の状態
半健康状態=未病」
という概念があります。
高齢化や様々なストレスを抱え慢性病に悩む現代社会で、「病気を予防する/未病を治す」という考え方が西洋医学にも持ち込まれるようになり、最近では「未病」という言葉をよく耳にするようになりましたが、東洋医学では昔から伝統的に持っている概念なのです。
未病
言葉としては古い漢方医学の古典「黄帝内経 素問」「難経」などに見られる。特に「難経」にある「上工は未病を治し、中工は已病を治す・・・(並の医者は病気を治し、いい医者は病気になる前に治すという意味)」は有名。 |
■健康〜病気はつながっている帯のようなもの
東洋医学では、健康の程度には高い状態から低い状態まで段階があって、それが低下すると病気になる、という連続的な見方をします。
検査データに異常があらわれていなくても病気に近い段階にあるならばそれを治す・予防することを東洋医学では重要視します。検査データの値が「一般にいう正常値」でも「その人の平常値」と比べてみれば悪化傾向を示しているのかもしれないし、放置すればいずれは病気になる状態なのかもしれません。
病気になる前であればより速く重篤な状態にならずに治すことができるわけで、病気になる前に「○○を食べておいたほうがいい」とか「ここにお灸をしておきなさい」といった具合に体調を整えさせ「未病を治す」医者が上工(いい医者)である、と昔から讃えられているのです。
西洋医学
健康と病気を二律背反するものと捉える=二元健康観
「正常か異常か」「健康でなければ病気、病気でなければ健康」
心と体は別のもの=心身分離
東洋医学
健康と病気を段階的な連続するものと捕らえる=一元健康観
健康→→(連続している)→→病気
心と体は一体のもの |
■「病気」ではなく「病人」を治す東洋医学
西洋医学では故障や病気の種類によって受け持ちの分野が分かれています。外科や内科、さらにそれぞれ心臓や胃腸など細かく分担が分かれていて別々に対応するのが普通です。
人間の身体は精密機械のようなものと考え故障した部品を治すあるいは交換して治そうという考え方です。
従って病気の診断や治療は限定された病巣を中心に行われ、対症療法に優れています。
これに対し東洋医学では一人の医者が身体全体をみて、どこが弱っているか、身体の各器官・部分が連動し関連する仕組みや体質などから、その原因はどこからきているかを診断します。
病気は心を含めた身体のバランスが崩れているから起きる、そのバランスを正さない限りは、たとえ手術や薬で潰瘍を治したとしても、病気はまた別の場所にあらわれる「病気が移動する」と考えるのです。
また西洋医学では熱が出れば解熱剤、抗生剤で胃があれれば胃腸薬など、例えば「カゼ」「糖尿病」などの「病名」や症状に対応した薬を与えます。しかし漢方ではその病人の体質や状態(証※)にあわせて投薬するので、同じ糖尿病の患者であっても病人によって与える薬は異なります。
よく使われる例え話に、「ガンは治ったが病人は死んだ」という話があります。ガンはやっつけたが病人は手術の負荷や抗がん剤で弱って死んでしまった、「病気を治す」ことと「病人を治す」ことは必ずしもイコールではないということがわかるたとえ話です。 |
西洋医学
故障や病気によって受け持ちが異なる/特定の「病気」を治す
東洋医学
故障や病名にこだわらず身体全体の調子をみる/「病人」を治す
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※証
漢方では、患者の体質などの個体差や全身の状態、病気と闘っている状態(病勢)などを診て、「この患者にはどの薬が効く状態であるか」を見極める。この患者の状態の総合的な見立てを「証」といい、その患者の証に合わせた投薬を行う。 |
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