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東洋医学って何?<その1>
〜世界の中の東洋医学〜
東洋医学は自律神経失調症のような検査データにはあらわれにくい病気に効果があると言われています。
東洋医学について興味をもったり、あるいは日本人にとっては身近にある伝統医学ですから実際に治療を受けてみたことがある、という人も少なくないと思います。
では東洋医学とは何なのでしょうか? このコラムで数回にわたってとりあげてみたいと思います。
第一回目は「世界の中の東洋医学」の位置付けについてです。
■世界三大伝統医学
世界には様々な伝統医学があり、人々の健康を支えてきました。その中で
・中国医学(中医学ともいいます)
・アーユルヴェーダ(インド古典医学)
・ユナニ医学(アラブ・イスラムの医学)
が三大伝統医学と言われています。
(※これに「チベット医学」もしくは「ギリシャ医学」を入れて四大伝統医学ともいわれます。西洋医学は古代ギリシャ医学に流れを汲む欧州の伝統医学に近代医学を取り入れて発展したものです。)
■「東洋医学」が指す意味は?
東方あるいは東洋というのは西欧に対する東方ということで、西アジアからインド、東南アジア、中国などの広い地域を指す概念です。
そうした広いアジア地域全般で行われている伝統医療を総称して「東洋医学」と呼んでいて、
・中国医学
・アーユルヴェーダ(インド古典医学)
・チベット医学
がその主流とされています。
その中の中国医学が日本に渡って日本の「漢方」となりました。
「漢方」というと狭い意味では漢方薬による治療法を指しますが、広くは
・湯液療法(漢方薬)
・鍼灸
・導引(按摩術)
を含めた伝統医学の総称であり、ここでは広義の意味になります。
中国からみると日本は東洋の国なので中国ではこれを指して「東洋医学」と言うこともあるそうです。
私達が日常「東洋医学」と言う場合は、
@日本の漢方や鍼灸を指すとき
A中国医学〜日本の漢方や鍼灸などの系統を指すとき
Bアーユルヴェーダなども広く含めていうとき
など、その時々で微妙に異なる意味で使われていると思います。一般には日本で発展してきた漢方や鍼灸を含む@やAの意味で用いることが多いでしょうか。
■中国医学と日本の漢方や鍼灸は同じもの?
中国医学が日本に渡って日本の漢方や鍼灸となったわけですが、中国医学と日本の漢方や鍼灸は全く同じものというわけではありません。
中国医学が日本に伝来してから鎖国により国同士が没交渉となったり、中国大陸とは異なる気候風土や食習慣などにあわせた対処が工夫されたり、また歴史的背景などから本場とは異なる独自の発展をしていきました。韓国にも中医学に起源を持ち日本の漢方によく似た「韓医学」があります。
また、医師の資格をもって鍼灸治療を行う中国に対し、日本では鍼灸治療は保険医療にもなっていないなど、教育体制や医療制度、社会的地位なども異なります。
■WHOが認める鍼灸治療
近年では各地の伝統医学が病気の予防や健康維持にと見直され、西洋医学の弱点を補う補助的医学としても存在感を強めつつあります。
発展途上国などでも東洋医学などの伝統医学を活用することにより医療コストを下げる試みが行われていますが、その中で調査・研究が行われ少しずつその有効性が科学的に明らかにされてきています。
鍼灸は欧米など多くの国々で医療行為として認められており、現在では世界の100ケ国以上で鍼灸が取り入れられるようになりました。
1972年にはWHO(世界保健機構)が鍼灸を世界の伝統医学として認め、その後40種類以上の疾患を鍼灸の適応疾患として認めて発表しています。
鍼灸の適応疾患リスト(WHO草案、1996年)
運動器系疾患 |
上顆炎(テニス肘)、頚部筋筋膜症、肩関節周囲炎、慢性関節リウマチ、捻挫と打撲、変形性膝関節症など |
消化器・呼吸器系疾患 |
下痢・便秘、潰瘍性腸症候群、急性扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、慢性副鼻腔炎、気管支喘息など
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疼痛疾患 |
頭痛、片頭痛、緊張型頭痛、坐骨神経痛、扁桃腺摘出術後疼痛、抜歯疼痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛
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循環器系疾患 |
狭心症を伴う虚血性心疾患、高血圧症、低血圧症、不整脈など |
泌尿・産婦人科系疾患
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月経困難症、分娩誘導、月経異常、女性不妊、男性不妊、インポテンス、遺尿症、尿失禁など
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その他の疾患 |
近視、肥満、メニエール症候群、片麻痺、うつ病、薬物中毒、アルコール中毒など |
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