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頭が痛くて学校に行けない!
〜身体の不調を訴えて学校に行けない子供たち〜
「不登校」や「ひきこもり」が大きな問題となるようになった現代は、子供にとってもストレスの多い社会であるということなのでしょう。
家庭の有り様も生活様式も食生活も変化しているのですから子供を取り巻く問題が様変わりしていくのも当然と言えば当然なのかもしれません。
「不登校」の原因は様々あると思いますが、何らか精神的なものが原因であるとされていると思います。
私どもの治療室にも学校に行けなくなっている子供たちが訪れることがありますが、自律神経の乱れや身体の不調が深く関連していると思われるケースも見受けられます。中にはこんなケースもあるのです。
■自律神経など身体の不調と深く関連しているケース
@「頭が痛くて学校に行けない」 18歳 女子 専門学校生
<症状> 頭が常に痛み、学校に行くことができない。
<経緯> 病院で検査しても異常はなく、周囲からは精神的なものではないかと思われていた。母親もパニック障害などではないかと思っていた。
<所見> 骨盤が後ろに傾き、そのため膝が曲がってX脚になっているなどの構造的な問題がみとめられた。高校時代にダンサーを目指して熱心に練習をしていたとのこと。姿勢の傾きを筋肉の緊張で支えていたところへ激しい練習という負荷がかかったことにより、構造を安定させるために筋肉の緊張が増して頭痛を引き起こしていたと考えられる。
<経過> 構造の問題を改善する治療と座り方・立ち方などの指導をした結果、徐々に症状は軽快。学校へも行けるようになった。
A「頭が痛くて学校に行けない」 中2 男子
<症状> 頭が痛くて、学校に行けないと訴えている。
<経緯> 野球部に所属。数年前に父親が死去。
メンタルクリニックでも子供には薬剤の投与を控える傾向があり特に治療もされず、母親はカウンセリングなどの治療方法を探し求めていた。
<所見> 姿勢が悪いなどの構造的な問題がみられた。野球部の筋トレでそれがより頑固になったと思われる。さらに父親の死やその他の精神的な問題が重なったためではないか、と考える。
<経過> 「精神的な部分の治療はできないが、からだの回復は精神の助けにはなるかもしれない」ということで治療を開始。初回の治療で鍼を打つ前から激しく怖がるが、治療を重ねるうち平気になる。治療中は野球の話などを楽しそうにする。次第に頭痛が軽快し学校へも行き始めるようになる。
B「電車に乗るとお腹が痛くなる」 高2 男子
<症状> 電車に乗るとお腹が痛くなり便意をもよおすため学校に行けない。
<経緯> 過敏性大腸炎が疑われていたが、病院では決定的な診断がつかなかった。
<所見> 姿勢が悪く腰部に異常な緊張がある。
<経過> 治療を重ねるうち、電車に乗っても便意はもよおさなくなったが尿意をもよおすようになった。最終的には尿意ももよおさなくなり、学校へ通えるようになった。
C「気持ちが悪くなるので食べられない」 中1 女子
<症状> 食べ物を食べると気持ちが悪くなる。
<所見> 極端にイスに浅く腰掛ける習慣から骨盤の後傾を招き→横隔膜の緊張→横隔膜裂溝障害になったと思われる。
<経過> 治療により症状は軽快。
■体調の回復が心の助けになることもある
からだと心は完全に切り離すことはできないものです。例えば、誰でも虫歯が痛んでいるときは憂鬱な気持ちになったりイライラしてしまったり、とても晴れ晴れとした気分にはなれませんよね。
勿論、すべての心の問題が身体の回復により解決できるわけではなく、それがめざましい効果を発揮するケースはごく一部かもしれません。また逆に心の問題が身体の病を招いていることもありますし、単純なものではありません。
しかし、体調の回復が全ての解決にはならないとしても、からだの回復が心をリードして快方へと向かう助けとなることもあると思います。
姿勢、食べ物、運動、休養、生活習慣・・・といった人間の基本的な生活の要素を正しく整えることは人間の「からだ」と「こころ」を養う大切なことである、という認識は必要だと思います。
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